子育てにおいて、「問い」が欠かせない理由について、お話をしています。
前回は、お子さん(これからを生きる人)にとって、「問い」が欠かせないチカラだというお話をさせて頂きました。
(https://shinsei-kawada.com/2024/02/15/01/)
今回は、親や先生などにとっても、問いが欠かせないというお話をしますね。
あなたの正解は、お子さんの正解ではない
今は、「変化」の時代です。
あなた(親や先生)が子どもだった頃を思い出してもらうと
昔と今では、いろいろなことが変わってきていますよね。
例えば
僕が小学生の頃は、普通に先生に叩かれていました。
叩かれるのが怖くて
先生の言う事を聞いたものです。
その是非はあるにせよ。
「廊下に立たせる」などと同じように、今はすっかり見なくなりました。
また、僕が子どもの頃は
なかなか学校を休ませてもらえませんでした。
風邪をひいた時はさすがに休ませてくれましたが
「学校に行きたくない」という理由では
なかなか親は納得しなかったのです。
しかし、今は違いますね。
このように、世の中の考え方(価値観)も大きく変わってきています。
昔の「当たり前」は、今の「当たり前」ではないですし
「あなたの当たり前は、お子さんの当たり前と違う」ということにもなりますね。
そうなると、
「これまでの正解」を教えるだけの教育ではなく
「これからの正解」を一緒に考え、一緒に創り上げていくことも必要ではないかと思うのです。
個性を勘違いしてない?
しかし、「個性を尊重したいから」と言って
すべてを子どもに決めさせるのも、難しいのかなと思います。
なぜなら、価値観というものが育っていないのに
物事を判断することは難しいからです。
それは、「個性」という話ではないのです。
例えば
・人を傷つけてはいけない
・ものを盗んでいけない
・自己中心的な考え方はよくない
などのようなことを「価値観」と良います。
これは、生まれつき持っているものではなく
誰からから教わるものなのです。
なぜ、生まれつきではないと言えるかというと、国や地域によって、価値観は大きく違うからです。
子どもは、親など周りの大人の言葉や態度などを観察して、「どんな時に、何を大切にして考えるといいのか(価値観)」を自然と学んでいるのです。
なので
まだ、価値観が育っていない子どもに「どう思う?」と聞いても、なかなか答えることは難しいと思いますし、それでも聞き続けることをすれば、「自分の好み」「自分の心地よさ」など、「自分」だけを基準に判断をすることになりそうです。
そうなると、ひとりよがりで、自己中心的な人に育っていきそうですよね。
まずは、あなた(親や先生)が、しっかりと価値観を教えることが大切です。
そして、ある程度、成長し自分でも考えられるようになったら、
「私は◯◯◯だと思う。あなたはどう思う?」と、あなたの意見(価値観)を伝え、その後、子どもに考えてもらう問いかけをするといいと思います。
価値観を教えることが、個性を引き出すこと
もしかすると、この話を読むと「親のクローンを創るのか」と反論をされる人もいるでしょう。
しかし、僕は、そういう話をしているのではないのです。
例えば、タイ料理を全く食べたことない人がいたとしましょう。
その人に「どのタイ料理が好き?」と聞いても、答えられないですよね。
さらに、何か1つタイ料理を食べてもらって、「これは、タイ料理の中では好きな方?」と聞いても答えられません。
それと同じです。
人生経験というものがまったくない人に
「どう思う?」「どっちを選ぶ?」と聞いても
比較することも、考えることもできないので、答えられないのです。
お子さんには、まずは、あなたの価値観をインストールすることが必要です。
これで、「いい」「よくない」の1つの基準を創ることができます。
お子さんは、その価値観をもとに、それから出会う考え方などを見ていきます。
そして、親からもらった価値観よりも、「こっちのほうがいいな」「こっちのほうが好きだな」と、自分の価値観を更新していくのです。(これを反抗期といいます)
そうして、その子だけの価値観のコレクションができあがります。
これを「個性」というのです。
小さな習慣がその子の価値観を育てていく
自分で考える
問いに答える
自問をする
などは、習慣で創られていきます。
ぜひ、小さなころから、たくさん問いかけてほしいのです。
例えば
「どっちがいい?」
「なんで、どう思ったの?」
「今、どんな気持ち?」
「おいしい?」
「何がおいしい?」
「どんな味がした?」
「今、なにしたい?」
のように、毎日の生活の中で問いかけることも大切です。
さらに、絵本やアニメなどを見る時にも
「なんで、◯◯くん(登場人物)は、こうしたんだろうね?」
「あなただったら、どうしてた?」
と問いかけるのもいいですね。
なんでなんで攻撃への対応
小さなお子さんがいると、「なんで、なんで攻撃」に合うことがありますよね?
これは、お子さんの興味関心が広くなっている証拠。
いろいろなことを吸収していきたいのでしょう。
子どもに「なんで、◯◯なの?」と聞かれた時。
あなたはどう反応していますか?
僕が、一番よくないなと思う反応は
「わからない」「しらない」「うるさい!」などの拒絶する反応です。
これをされるとお子さんは「なんで?と考えることはよくないことなんだ」とおぼえてしまいます。
考えるチカラのない子に育っていきますね。
次によくないなと思うのは
「それは、◯◯だよ」と正解を教えること。
これは、ラクなんです。
しかし、子どもの考えるチカラは育まれていない。
お子さんは、いつも疑問があると、あなたの聞くことになります。
自分で答えを見つけることができないままですね。
そんな中で僕がいいなと思う反応は
「なんでだと思う?」と問いかけること。
そして、「一緒に考えてみよう」という姿勢を見せること。
このことで
お子さんの考える習慣を身に付けることと
お子さんが自分で正解にたどり着く手法を覚えること
ができますね。
今は、ネットで検索するとどんな答えでも出てくるでしょう。
しかし、一度、「なんでだろう?」と自分で考える時間こそが大切なのです。
まとめ
ここまでの話をまとめると
お子さんと関わる時には
・小さなうちは、しっかりと親の価値観を教える。
・自分で考えることができるようになったら、問いかけていく。
・その時には「私はこう思う」と自分の考えをしっかりと話す。
・その上で、「あなたはどう思う?」と問いかける。
・問いかけられる(自問する)は習慣なので、小さなころから、たくさん問いかけてほしい
となります。
★どんなことを問いかけるといいか
★問いかける時のコツ
は、また続きの記事で紹介しますね。